ジントニックとボタニカル
ジンに欠かせないものといえば、ボタニカル。
ボタニカルとはジンの蒸溜過程で香りづけに使用される植物のこと。
一般的に10-40種類のボタニカルが使用されています。
ここでは代表的なボタニカルを解説していきたいと思います。
- ジュニパーベリー
ジンといえばジュニパーベリー
EUの法律では第一の香りとしてジュニパーベリーの香りが来ることが条件になっています。
実は小さく紫色、ジン特有の松の実のような香りが特徴です。
見た目”ベリー”のようですがベリー類には分類されません。
重要は熟成に3年の年月を要します。
そのため未熟成の実は収穫せず、来年・再来年に持ち越されます。
そうして収穫されたジュニパーベリーは乾燥され輸出されていきます。
ジンにとって重要な要素になるため質の良いものを選別する熟練の技が試されるのです。
- アンジェリカ
こちらもジンの蒸溜に重要なボタニカルです。
属性はセリ科。
セロリやパセリと同じ分類をされ、小川や湿地に自生しています。
ジンにおいてはその根(Angerica Root)がよく使われます。
ジンにとって鍵となるドライさ、それぞれのボタニカルのバランスを保つなど
重要な役割を果たします。
またジンに限らず、アブサンやベネディクティン、シャリュトリューズなど
香り高いリキュールにも使用されています。
・カルダモン
カルダモンはラグビーボール状の形をしており、薄い皮の内側には黒い種が入っています。
インド料理のスパイシーな香りの一部としても使われます。
ジンの蒸溜では、種を砕いてから使用され種の内部の華やかな香りがジンを引き立たせます。
ただし使いすぎると香りが強すぎるため、使う量には注意が必要です。
・シトラス
現代のジンには欠かせないボタニカルの一つが、シトラスです。
簡単にいえば柑橘系。
オレンジ・ライム・グレープフルーツなどの果物のエッセンスです。
重要なのは蒸溜の際使用するのは皮だけだということです。
果肉は一切使用されません。
その理由としては果肉は糖分が含まれるため高温になったときに
ジャム状になりその香りが反映されてしまうため果肉は使わないのです。
ただ、中には低い温度で蒸溜できるバキューム蒸溜を採用しているものでは
果肉を一緒に蒸溜し透き通った優しい口当たりのジンをつくることもあります。
・コリアンダー
こちらもジンのボタニカルとして重要な要素のひとつです。
タイ料理などでもよく用いられます。
蒸溜ではその種を使用し、レモンのような香りとスパイシーさを兼ね備えます。
コリアンダーは世界中で自生していますが国によって大きさや香りが異なります。
インドのものは大きくコショウのような香りが強くします。
ヨーロッパや北アフリカのものはインドのものに比べて小さく繊細は香り。
代表的なジンでビーフィータージンを例に挙げると後者のものを使用し、主に
ロシアやブルガリアのコリアンダーが使用されています。
まだまだボタニカルはたくさんあるので続きはこちらをご覧ください。